調理には専用の鍋として、鉄の浅い帽子のような形をした鋳物製のジンギスカン鍋を用いる。
ジンギスカン鍋の形は時代によって変化した。この種の鍋が現れた昭和初期の時点では、ストーブのロストル(火皿)のように平行の溝が設けられていた。取っ手は無かったため、すき焼き鍋の鍋掴みに似た器具、若しくは鍋面にある専用の穴に栓抜き型の取っ手を差し込んで鍋を動かした。
戦前のジンギスカン料理店「成吉思荘」の初期の鍋は特に大型だった。移動させるときは氷屋の氷を運ぶ大きなやっとこのような専用の運搬具を使い、鉄製焜炉ごと運んだ。重すぎて女性の腕力では容易に運べず、運搬専門の男子を雇っていた。
戦後、鍋の頂上から周辺に向かって星形に溝が作られ、取っ手が両脇に付いた。さらに室内用やガス焜炉用には、なるべく煙が出ないように、肉から出る脂や肉汁を火の中に落とす隙間がない単に凹凸がついただけの鍋も出現した。また、その周囲にドーナツ状になっている平坦な部分(汁溜り)に野菜を乗せることによって、焼く段階で、肉汁や脂肪分、調理法によっては肉から染み出したタレも野菜に染み込ませる調理法が定着してきた。
遠野市では、屋外でジンギスカンを調理する際、金属製のバケツに通風孔を開けたものを七輪代わりに使用することが多い。このバケツはジンギスカンバケツと呼ばれる。七輪と比べ、軽くて持ち運びが容易であり、ジンギスカン鍋の座りも良い。
